| クルマは、乗員も含めると1トン(1000kg)前後。それを4本のタイヤが支えているわけですが、タイヤの中に空気がないとクルマは走れないばかりか、車重を支えることもできません。そう考えてみるとタイヤの中の『空気こそが、クルマを支えている』と言えます。
 空気圧不足がワースト1どんなに高性能なタイヤでも、空気圧が適正に調整されていなければ、その能力は発揮されません。
 にも関わらず、毎年夏に東名高速のサービスエリアでおこなわれるJATMA(日本自動車タイヤ協会)のタイヤ点検の結果を見ると、2008年も2009年も『空気圧不足』が、タイヤ整備不良のワースト1となっています。これは、いったどうしてなのでしょうか。
 空気が逃げていく“宿命”子どもの頃に遊んだゴム風船を思い浮かべてみてください。1〜2日も経つと、空気が抜けてしぼんでしまいますよね。ゴムは、もともと空気が透過してしまうものなのです。
 タイヤもゴムでできています。風船とは違って、【TOYO 
                          TIRES】における「エアキープライナー(※1)」などのように、空気を抜けにくくする技術的な工夫が施されていますが、所詮ゴムはゴム。空気は徐々に抜けてしまいます。
 (※1)タイヤの空気漏れを抑える
 クルマを走らせない場合でも、一般的にタイヤの空気圧は1ヶ月でおよそ5%減っていくと言われています。そこで、JATMA(日本自動車タイヤ協会)では「月に一度は空気圧の点検を!」を呼びかけています。
 「空気圧」の管理は、ドライバー自身の責任です。
 空気圧不足はこんなに損をする!自転車のタイヤを例にとると、空気が抜けた自転車はペダルが重くなってこぎづらいですよね。疲れます。お腹も減ります。そう、燃費が悪いんです!
 ・経済面でのデメリット クルマも空気圧不足だと、まずエンジンに負担がかかって、燃費が悪くなります。さらにタイヤの摩耗も進みます。
 空気圧が低いと、見た目には分かりづらいですが「たわみ」が生じ、タイヤは接地するたびに「スクワット」をさせられて、摩耗がどんどん進んでしまうのです。
 
 
 ・安全面でのデメリット
 また、クルマの「ブレーキ」「発進」「加速」性能など様々な運動性能が十分発揮されません。高速道路で多いバースト(※2)の原因も、この空気圧不足。エンジンが壊れてもクルマが動かないだけで済むかもしれませんが、タイヤの破損は、あなたとあなたの大切な人の命を奪う可能性が高いのです。
 
 (※2)タイヤが破裂すること。空気圧が低いまま高速で走ると起きやすい。
 空気圧チェックのポイント5「月に一度は空気圧の点検を!」という標語を見たこと、聞いたことのある方も多いかもしれませんが、それは以上のような危険を防ぐためだったのです。
 
 
 ・ こんなタイミングでチェック!
 例えば、「給油」の際には必ず「空気圧のチェック」をする。あるいは「月の第1 
                          日曜日」など、自分自身で空気圧チェックの日を設定するのも良い方法です。習慣は強し!
 
 ・ どこでチェックすれば良いの?
 ガソリンスタンドでも、タイヤの空気圧を測ったり、空気を入れてもらえます。自分でケアしたい場合は、カーショップなどでエアゲージが市販されていますし、足踏み式・機械式の空気入れも売られています。
 
 ・ 指定空気圧の調べ方
 そのクルマの指定空気圧は、ドアの内側やマニュアルをチェックすると、例えば「200kPa(キロパスカル)」、「2.0kgf/cm2」といった表記があるはずです。「kPa(キロパスカル)」という単位は、最近採用された新しい国際単位なので、両方が併記されていることもあります。
 
 
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                          高速を走るときは空気圧を高めに
 高速道路を走る前は、給油とともにタイヤの空気圧を少し高め(20kPa増程度)に設定すると良いでしょう。空気圧不足は、バーストの原因になりますので注意!
 
 ・ バルブのキャップは大切!
 タイヤに空気を入れる際、バルブ(空気を入れる口)のキャップを失くさないよう注意!キャップがないと、せっかく入れた空気が逃げてしまう事もあります。また老朽化したバルブは、空気がもれる原因になります。タイヤの交換時には、バルブも一緒に交換しましょう。 知っておきたい空気圧の「読み方」前述の「空気圧チェックポイント5」に出てきた「指定空気圧」(※4)は、「適正空気圧」とも言われますが、むしろ「最低空気圧」と考えた方が現実的です。
 タイヤの空気は少しずつですが確実に減るため、「指定空気圧」(※4)よりも少し(5〜10%程度)高めに設定し、1ヶ月後の点検の際に「指定空気圧」(※4)になっているというように、常に「指定空気圧」を下回らないようにしておく方が良いでしょう。 また空気圧は、タイヤが冷めた状態で測りましょう。走った直後のタイヤは、温められた空気が膨張して正しい空気圧が測定できません。 最後に落とし穴をひとつ。スペアタイヤも1ヶ月たてば、空気圧は約5%低下しています。チェックをお忘れなく。
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